私たちのドキュメンタリー『能登の花』は現在Amazon Primeで配信中で、日本で劇場公開もされました。しかし、私たちは、どのようにここまで辿り着いたのでしょうか?すべての始まりを思い出してみましょう。小さなイタリア語のYouTubeチャンネルから始まり、フォロワーはたった6,000人でした。スポンサーも何もいませんでした。それがどうして日本のAmazonでの配信につながったのでしょうか?
私の中の小さなナルシストは「私たちは素晴らしいものを作り、みんなに気づいてもらった!」と叫びたい気持ちにさせます。確かに、才能と努力のおかげでここまで来たと言いたいところですが、実際はそう簡単な話ではありません。価値のあるものを作ったのは事実ですが、運やタイミング、そしてちょっとした魔法が、私たちの計画以上に大きな役割を果たしました。
運とは、計画できるものではなく、いつどこでやってくるかわからないものです。でも、何度も挑戦することで、その運を掴む可能性が上がります。そして、それを私たちは実践しました。
少し、現実的な話をしましょう。もし人生が完全にランダムで、私たちがコントロールできないものであれば、私はお風呂に浸かりながらワインを飲み、ポルノ小説をめくって過ごすでしょうあ。他に何をする意味があるでしょうか?でも、私はそうはしません(ほとんどの日は)。なぜなら、私たちは未来に影響を与えることができると信じているからです。成功がいつやってくるかを正確に予測することはできませんが、行動を起こし続けることで成功の可能性を高めることができます。
重要なことは、目標を多く追うほど、少なくとも1つの目標を達成するチャンスが増えるということです。この考え方が私たちをAmazon Primeや映画館、映画祭へと導きました。
『能登の花』のバックストーリーはすでにご存じかもしれませんが、2024年3月に、私たちは地震に見舞われた能登半島でのボランティア活動に参加しました。
最初の計画はシンプルでした。トマゾ・ネグリの旅を追うVLOGと、ボランティア活動を取り仕切った素晴らしい女性アドリアーナについての5〜10分の短編ドキュメンタリーの2本を制作することです。トマゾの旅VLOGをYouTubeに公開し、アドリアーナの短編映画をイタリアのニュースメディアに売るつもりでした。
しかし、撮影が始まり、最初の48時間で何かが変わりました。これはアドリアーナの物語だけでも、トマゾの物語だけでもありませんでした。それは誰か一人の物語を超えた、もっと大きなものでした。私たちは元の計画を取りやめ、能登での体験を通じて得られたさまざまな視点を捉えた、一つの長いドキュメンタリーを作ることに集中しました。
こうして『能登の花』が生まれました。当時、アマゾンのことを考えていたか?もちろん、まったく考えていませんでした。私たちの唯一の目標は、素晴らしい物語を作り、それをYouTubeチャンネルで共有することでした。それにより、イタリアのニュースメディアに気づいてもらえることを期待しました。もしかしたら、インフルエンサーやYouTuberが取り上げてくれるかもしれないと考え、多くのインフルエンサーにDMを送りましたが、何も起こりませんでした。誰からも返信がありませんでした。イタリアのインフルエンサーなんてくそくらえ!動画の再生回数は私たちのチャンネルでは平均的で、多くの人が見ているわけではありませんでした。
しかし、実際に見てくれた人たちは「能登の花」が大好きでした。イタリアのフォロワーでも日本の友人でも、反応は同じで、皆んな笑い、泣き、映画に深く感動しました。『能登の花』には特別な何かがありました。
次に考えたのは、この映画をもっと多くの人に届けるにはどうすればいいかということでした。私たちは日本の映画館での上映に挑戦することに来ました。全国の小さなインディペンデントシアターのリストを作成し、「能登の花」を全ての映画館に送りました。なんと、ほぼ全ての映画館が返信してくれました。ただ、映画は気に入ってもらえましたが、「ちょっと短すぎる」と言われました。30分の映画は、大画面には少し短すぎるのです。私たちは諦めかけました。
すると、何かが起こりました。1通のメールが私の目を引きました。「このドキュメンタリー映画が大好きですが、劇場では短すぎます。でも、私は配信プラットフォームに映画を供給しています。Amazonに提案してみませんか?気に入ってくれると思いますよ。」
こうして、物事がうまく運び始めました。同時に、映画の長さにかかわらず興味を示してくれた映画館も現れました。気がつくと、『能登の花』は東京で影響力のある映画館の一つ、アップリンクで上映され、名古屋や大阪の劇場でも公開されました。
私たちのYouTubeでの期待は裏切られましたが、私たちのドキュメンタリーは日本で話題になりました。私たちは信じられないほど運が良かったですが、運は挑戦する人にだけ味方します。私たちは適応し、忍耐強く、考えもしなかった可能性にオープンであり続けました。
おそらく、ここから得られる本当の教訓はこれです:挑戦し、失敗し、適応し、再挑戦する。全ての試みが成功に一歩近づくことにつながります。
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